詩吟の起源
中国から漢字が伝わってきた時代に和歌や漢詩に節をつけて自由に歌っていたのが、詩吟の始まりと言われています。素読から始まり、次第に音楽性が重視されていきました。中国の有名詩人、杜甫、杜牧、李白、白居易、王維、張継、蘇軾等が我国の漢詩文化に与えた影響は顕著なものがあります。
詩吟の隆盛
幕末期から明治を経て現代へ隆盛の経路をたどっています。江戸時代後期の漢学塾で、漢詩にリズムと音感をつけて詠まれるようになりました。幕末の志士、吉田松陰、高杉晋作、橋本左内、木戸孝允等は、辞世の句を含め多くの漢詩を遺しています。
詩吟の特徴
西洋音楽は、1オクターブがドレミファソラシドの7音階ですが、邦楽の1オクターブは5音階で構成されています。邦楽のうち詩吟は、陰音階(ミファラシbド)の節で歌うのが特徴です。
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母音の芸術
詩吟は母音の芸術と言われ、語尾の母音を長く引き、揺(ゆ)り、節(こぶし)を入れたりする独特の節回し(節調)で詠います。
はるゥーー(節調)こーろーのォーー(節調)、はなのォーー(節調)えんンーー(節調)
詩吟の吟じ方
- 独吟: 一人で吟じる独唱スタイル、吟詠の基本
- 合吟: 斉唱のように声を合わせて吟ずるスタイル
- 連吟: 数名で順に吟ずるスタイル