詩歌に詠われる名所・旧跡を訪ねる
詩吟を通じて歴史を知り、旅行の楽しさが倍加します。例えば、大江敬香作「題近江八景図」という詩は、琵琶湖の南西岸にある八つの景勝地の情景を叙した詩です。比良山の雪、紫式部ゆかりの石山寺の秋月、三井寺の晩鐘等を訪ね歩く楽しみが待っています。
詩歌に詠われる詩文の奥にある武士道を紐解く
例えば、頼山陽作「題不識庵撃機山図」の 転句に「遺恨十年一剣を磨く」という謙信と信玄の10年戦争の最中において、信玄の領地は山国で北条氏から塩の供給路を絶たれた信玄の窮状を聞いた謙信は、十分な塩を敵である信玄に提供したという史実があります。
正確な文字や美しい言葉を覚え、歴史や文学の教養を高める
例えば、頼山陽作「静御前」という漢詩の中に「しずやしず 賎(しず、倭文)の苧環(おだまき)繰り返し昔を今になす由もがな 一尺の布は猶縫うべし」という和歌が織り込まれています。一尺の布しか持っていない義経でも、それで衣を縫うことができるのに。ましてや、百尺もの糸をもつ頼朝は、なぜ義経をかばってくれないのかという切ない思いを込めた歌です。